『東のエデン』9話「ハカナ過ギタ男」感想

 神山健治の今作は、羽海野チカのキャラクターがポスト9・11とポスト『ゼロ年代の想像力』のなかでARなんかも加えつつ、しっかりと描かれていく。ゼロ年代の総決算的作品を目指しているんだろうなぁ、と思ったら、今回の話ではミサイル攻撃が『劇パト2』でほほうとなる。時間は縦軸に流れている、と理解するのは安易かもしれないけれど、これは押井守をちゃんと意識して、引き受けて書こうってことなんだろうなぁと思った。
 あと、ツバキの花の落下で死を描くというのが叙情の人なんだなぁと思って、今回の副題を見たらいやはや、自分でちゃんとつっこんでらっしゃるようです。
 ただ、そんなにニート擁護なのはなんでなの?なんか美化しすぎじゃないの?押し付けがましいっていうかさ。こういう部分の妙な違和感/民意の誘導が今後どのように解消されるのも注目です。