ストーリィメイク 3月10日版

今回は以下の条件でストーリィをつくりました。

主人公(過去):知恵《逆》
主人公(現在):治癒《逆》
主人公(未来):誓約《逆》
結末・目的:幸運《逆》
援助者:理性《逆》
敵対者:庇護
キーワード:【心臓(生き肝)】


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正田「心臓抜き」

タダシくん(16歳)は頭の悪いオオバカヤロウ。線路でうんこしたり、夜の校舎窓ガラス壊して回ったり、九九がまだ知らなかったり。カズヒロ(16歳)という同じクラスの狂人(近所の猫や犬や鳥の心臓を抜いて塀に並べたりする。カズヒロの犯行だということは一応ばれていない)とけんかしたら殺し合いに発展し、片腕を失った。タダシはカズヒロをぶっ殺すことを誓った。だめだこいつ早くなんとかしないとと考えた裁判所や警察はタダシを保護目的で隔離可能な病院へ入れて治療と矯正をしようとしたが、彼が警察の言うことなんか聞くわけもなく暴れまわってカズヒロ殺害を目指した。カズヒロは警察をも敵に回して暴れるタダシの姿に感銘を受けて、タダシといっしょに警察と戦った。二人は保護目的で向かってくる警察を殺そうとまでしたりする。カズヒロはそこそこ頭がよくて保護されると見せかけて警察官をおびきよせ殺害し拳銃を奪った。タダシの分も奪ってタダシに渡そうとしたが、カズヒロだろうが警察だろうがめちゃくちゃに暴れた。カズヒロはそんなタダシの姿が面白くてしかたがなかった。カズヒロはタダシの近くに拳銃を置いて、タダシは「あ、拳銃だ」と拾って撃ちまくった。死者多数。とうとう警察は保護をあきらめて二人の殺害を決定し、二人は死んだ。

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「Dへの疾走」


●キャラク
岡村純(25)……かつてはスポーツ少年であり“やんちゃ”でもあった主人公。

小清水秋奈(25)……岡村の幼馴染。純のことをいじらしく気にかけている。



●あらすじ
 かつてスポーツ(陸上かなにか)にのめりこみ、またいわゆる“やんちゃ坊主”だった岡村純は、粋がってバカをやったあげく左脚を壊してしまい、2度とは走れない身体となった。いまではすっかりおとなしくなり、地元の企業に就職し、ふつうの静かな生活を営んでいた。しかし、心の中では自由に走りまわれない自分の身体といまの現状に非常にうつうつとしており、公園で元気に走り回る子供たちを見ては嘆息していた。


 そんな彼の元に一通の手紙が届けられる。差出人は【E-M Soft Corporation】という企業であり、内容は、現在開発中のゲームソフトのモニター依頼であった。その開発中のソフトとは、いわゆるテレビゲームではなく、高度な感応装置によって、コンピュータ上に建造された広大な架空空間にあたかも自身が立ち、触れ、動きまわっているように感じられるという〈新種の〉ゲームであった(しかも絶対安全!)。試験日は、その週末だった。


 即座に興味をもつ岡村。しかし、小清水はそのゲームに危険を感じ、岡村に行かないようにとさとす。けれども、もう一度自由に走れる(ように感じられる)かもしれない、という期待が岡村の中に広がり、小清水の助言がうっとうしく思われる。結局、そのことで口論になる岡村と小清水。強情な岡村にとうとう小清水は折れてしまう。「もう、勝手にすれば」


 週末。意気揚々と【E-M Soft Corporation】にやってくる岡村。ヘルメットにゴーグルとヘッドフォンが一体化したような装置を渡され、それをかぶる。真っ暗。何も見えない。アナウンスの声――それじゃあ、はじめます――が聞こえ、視界に企業ロゴ、ついでメインメニューらしき画面が現れる。操作は、考えることで行えるという説明だったので、そのとおりやってみる――ニュー・ゲームを選択――とゲームが開始される。ナウ・ローディングの文字。


 やがて突然、視界が開け、広大なマップ――というよりも世界そのものが現れる。徐々に動いてみる岡村。なんと滑らかに、自由に動けることか! かつて味わえたあの感覚が蘇ってくる。恐る恐る駆けてみる。何の問題もなく、〈フツウ〉に走れる、俺はまた走れるんだ! 駆け回る岡村。


 しかし、突然、急激な苦痛が胸部にやってくる。苦しい。息が荒くなり、やがて立っていられなくなった。そのまま地面に突っ伏してしまう岡村。
そのまま岡村は死んだ。「激しい運動をしている」という信号を受け取った彼の心臓――激しい運動とは縁のなかった数年のうちにすっかりなまってしまった心臓が、その〈激しい運動〉に耐え切れなかったのだ。


 
※SFショートショートか短篇。タイトルのDは“Digital”と“Death”(安直だなぁ)。

     
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浅羽「スーサイド・マシーンズ」

○登場人物
柴原亮太:元はまじめな大学生。
楠一郎:ちんぴら。
原田啓史:雑貨屋の店主。


○ストーリー
 いけないとわかっていながらもギャンブルにはまり、大学にいかなくなってしまう柴原。とうとう中退することになる。実家に戻るが、ギャンブル癖は治らず、悪い仲間と付き合うようになる。両親に諭され、一度はギャンブルから遠ざかるも、競馬場で知り合った男、楠に誘われ、ふたたびギャンブルをはじめ、その楠ともども、とうとうヤクザ相手に借金まで作ってしまう。さて、どうしよう。すると楠が、強盗の計画を持ちかけてくる。標的は腰の曲がった老人・原田の経営する雑貨屋。雑貨屋自体は儲かっていないはずなのに、原田は高級車に乗ったり、海外旅行に行ったりしている。どうも裏で何か悪どいことをして金をたんまりためこんでいるらしい。そいつを奪っちまおう。そ、そんなことはできない、と怖気づく柴原。家に帰ると、母親が泣いている。柴原の留守中にヤクザがきて、さんざん脅しをかけていったらしい。もうお前は勘当だ!と父親は柴原を家から蹴り出し、鍵をかける。呆然とする柴原。仕方なく、楠の計画にのることに。


 そして満月の夜。狐のお面をつけ、閉店間際の雑貨屋に押し入る柴原。楠は店舗のすぐ前につけた車で待機&見張り。金を出せ、とレジで新聞を読んでいた原田にモデルガンをつきつける柴原。原田の頭に、大東亜戦争に従軍中、自分が目にした凄惨な出来事が次々とフラッシュバックする。衝撃のあまり心臓発作を起こし、倒れる原田。口から泡。ぶくぶく。助けようかどうしようか迷う柴原。そこへ、「何やってんだノロマ!」と怒鳴り込んでくる楠。楠は原田をどやしつけて奥の居住スペースを一緒に漁らせ、原田が隠していた金を奪う。予想より少ないが、借金は返せるくらい。店を出かけに見てみると、すでに白目を剥いて呼吸をしていない原田。南無。ちーん。早速金を返しにヤクザの親分ところへいく柴原と楠。「よくこんな短期間で金を作ったな。まあどうやったのかは訊かないでおいてやるが」と親分。へへへ、と愛想笑いをする柴原と楠。それじゃあこれで、と帰ろうとしたところで、部屋に子分が飛びこんでくる。「親分、今警察から連絡があって、親分の親父さんが……!」原田は親分の親父さん。豪遊できていたのは、親分が親父さんに金を分け与えていたから。


 凍りつく柴原と楠。親分が、息をとめ、自分が今手に持っている札束を見下ろす。