『とある科学の超電磁砲』第1話感想

 まああれです、おれは、これ、大変素晴らしいと思います。小賢しいところのまったくない、普通を極めた作画や演出も良いですし、これ以上ないほど「スピンオフの第1話」的な脚本もなかなか。なかでも佐天涙子役の伊藤かな恵さんの演技が、これはもうとんでもなく素晴らしかった。特に初春飾利との1レベル差の会話は、聞いていてすげー気持ちよかったです。胸にすとーんと落ちてくる感じ、というか。やっぱりアニメにゃ職業声優だよな、という意識を新たにいたしました。まあつい最近『化物語』における忍野メメの「いいよ」で新たにしたばかりなんですが。あれはすげえ。すげえですよ。もう別格。
 『化物語』とか『とある科学の〜』とか、中学生の時のおれに観せてやりたいです。特に中学二年生の時のおれ。あの頃は、学年の不良キッズ全員が放りこまれたクラス(担任は超絶厳しい体育教師)で、教室内に一人の友達もなく日々を過ごしておりました。つらかったのが昼休みで、教室にいても何もすることがないので、ひたすら廊下をぐるぐると歩いてました。あとは階段の昇り降り*1。疲れたら、人気のないところのベンチで一休み。体力が回復したらまたぐるぐるor昇り降り。溜息ばかりの毎日。足が遅い人間の常としてアニメが好きでしたが、地方だったので深夜アニメはゼロ。レンタルショップはありましたが、1ヶ月500円の小遣いではそうそう借りるわけもいかず。そういう系の雑誌を買ったり、真っ暗にした部屋で声優のラジオを聴いては、このアニメはこんな話なのかな〜、とか妄想を膨らませて鬱屈をやり過ごそうとしていました。部活の仲間がいなかったら、ちょっと本気でヤバかったんじゃないかと思います。あの時のおれに、今浴びるように観ているアニメを差し入れしてやれたらなあ。ちくしょう。なんつって。
 ええと、まあ何にしろ、このアニメには非常に期待をしております。願わくはこのクオリティができるだけ維持されんことを。

*1:ポアロのあと何分あるの?』で伊福部崇さんが言ってましたが、そうなんです、階段の昇り降りは人とまともにすれ違わなくていいから気が楽なんです。